IoT住宅は、インターネットと連動したデバイスやシステムを導入した最先端の住宅です。
快適な暮らし・エネルギーの節約・ホームセキュリティの向上などのメリットがある一方で、費用・セキュリティリスクなどのデメリットも抱えています。
とくにIoT住宅を検討中の場合、デメリットの対策で悩み、導入への一歩を踏み出せずにいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、IoT住宅のメリット・デメリットにくわえ、具体的な事例や検討時に注意すべきポイントを解説します。
また、IoTを活用した次世代住宅に欠かせない存在となるHomeOSの概念を解説し、HomeOSを実現するHomeLinkについて合わせて紹介します。
IoT住宅を検討中のかたは、ぜひ最後まで読んでみてください。
IoT住宅とは
まずは、IoT住宅の特徴をおさらいしておきましょう。
IoT(Internet of Things)とは「モノのインターネット」という意味で、さまざまなデバイスがインターネットを活用できる技術の総称です。
つまりIoT住宅とは、IoTを導入した次世代の住宅のことを指します。
IoTが導入された住宅では、さまざまな家電や住宅設備の連携が可能になり、より快適で便利な生活空間を実現します。
IoT住宅とスマートハウスの違い
IoT住宅とスマートハウスは、どちらも生活をより便利にするものですが、その目的と実現方法には違いがあります。
IoT住宅は、家電や住宅設備をインターネットに接続することで、利便性を高めることを目的としています。
たとえば、外出先からスマートフォンでエアコンや照明の操作をしたり、家のセキュリティを監視したりすることが可能です。
一方でスマートハウスは、HEMSのような省エネの実現をおもな目的としています。
たとえば、太陽光発電や蓄電池を導入し、自宅でエネルギーを創エネ・蓄エネ・節エネするなどです。
しかし近年では、IT技術の発達により、IoT住宅とスマートハウスの両方の機能を備えた住宅が増え、両者の違いは曖昧になりつつあります。
将来的には、IoT住宅とスマートハウスのどちらも次世代住宅として、同じ意味で使われるようになりそうです。
IoT住宅のメリット
ここでは、IoT住宅のおもなメリットを4つ見ていきましょう。
AI×IoTで快適性・利便性を向上
AIとIoTの組み合わせにより、さまざまな家電や住宅設備機の操作が便利になります。
家電の遠隔操作やエアコンの温度調整など、日常の暮らしを自動化し、生活の快適性を向上することが可能です。
ホームセキュリティの完備
IoT住宅では、セキュリティの強化も一つの大きなメリットです。
ドアの施錠状況や室内の状況を遠隔で確認したり、異常があった場合には自動で警報を発するなど、安心できる住まいを実現します。
データ活用による暮らしの最適化
IoT住宅では、家電や住宅設備が蓄積するさまざまなデータを活用できます。
そのため、エネルギー消費の効率化や、快適な室温・湿度の維持など、データに基づいた生活の最適化を実現し、より快適な生活空間を居住者に提供可能です。
住宅の付加価値を向上
IoT住宅は、その先進的な機能と利便性により、住宅そのものの価値を高めます。
IoTが導入された住宅は、従来にはない利便性・快適性・安全性を備えているため、付加価値が向上し、居住者にとって魅力ある物件にアップデートされます。
最先端技術を備えた住宅として市場価値も高まるので、ブランディング効果のアップも期待できるでしょう。
IoT住宅のデメリット
IoT住宅にはメリット以外にデメリットもあります。
デメリットを押さえておくことで、住宅のIoT化で注意すべきポイントが見えてくるでしょう。
ここでは、押さえておくべき3つのデメリットを解説します。
初期費用と維持管理費用
IoT住宅には初期費用と維持管理費用が必要です。
導入する住宅の間取りや構造によっては、IoTの設備やシステムの導入には高額な費用がかかる場合があります。
また、IoT設備の維持管理にも一定のコストが発生し、IoT設備やシステムのトラブル・故障に備えた対策も必要になるでしょう。
セキュリティリスクの懸念
IoT住宅はインターネットを利用する前提のため、セキュリティ対策をおろそかにできません。
インターネットに接続された機器は、サイバー攻撃の対象となる可能性があるからです。
セキュリティ対策が不十分なIoTデバイスやシステムでは、住居の安全性に懸念が残ります。
また、IoTデバイスの設定や使用方法が正しくない場合も、ホームセキュリティを低下させる可能性があるので注意が必要です。
急速な技術進歩による設備やシステムの陳腐化
昨今の技術の進歩は驚くほど速く、新しい機能が次々と登場します。
設置したばかりのIoT設備やシステムがすぐに陳腐化してしまう可能性を否定できません。
最新の機能を享受するためには、定期的なアップデートや交換が必要となる場合もあります。
IoT住宅検討時に注意したいポイント
メリット・デメリットを確認したうえで、IoT住宅を検討する際に押さえておきたいポイントを解説します。
住宅に与える付加価値
IoT住宅を検討する際、まず注目すべきポイントは住宅にどのような付加価値を与えるかです。
IoTデバイスや住宅設備を連携することで、どのような利便性・快適性を居住者に提供するか、またそれを実現するために何を導入すればよいか検討する必要があります。
また、IoTデバイスや住宅設備の使いやすさや、設定の容易さも利便性につながるため重要です。
十分なセキュリティ対策
セキュリティに関しても、不正アクセスなどのハッキング対策が施されているIoTデバイス・システムかどうかをチェックしておきたいポイントです。
IoTデバイスの設定や使用方法によっては、セキュリティの甘いホームシステムになりかねないので、安全性の高い導入方法の確認も必要です。
諸費用と拡張性の問題
初期費用や維持費用がどれぐらいかかるかは、導入する際にもっとも重要なポイントでしょう。
フルセットのIoT住宅を最初に導入するのか、あるいは段階的に拡張していくのかにより、初期費用は異なります。
設置するIoTデバイスによってはスペースが必要だったり、コンセントが通常より必要になったりするので、住宅自体に手を入れる必要がある場合はその分費用がかかります。
さらに、IoT住宅を維持するためのメンテナンスの有無や、維持費用がどれぐらいかかるかも確認が必要です。
ただし、ここまで説明した注意点をすべて正しく対策するには、IoT住宅の導入サービス会社の力が必要不可欠でしょう。
当社リンクジャパンであれば、フルセットのIoT住宅はもちろんのこと、お客様のニーズに応じてカスタマイズしたIoT住宅のご提案が可能です。
IoT導入でお悩みの場合、ぜひ一度お問い合わせください。
IoT住宅を活用した具体的な事例
実際にIoT住宅を活用した具体例を見ることで、IoT住宅の導入を前向きに検討できるかもしれません。
ここでは当社リンクジャパンが手掛けた3つの事例を紹介するので、IoT住宅導入の参考にしてみてください。
IoTマンション『Brillia ist(ブリリア イスト)』
IoTマンション『Brillia ist上野』は、スマートホームサービスeLifeをフルパッケージで導入した事例です。
- 設定はQRコードの読み込みのみで完了
- エントランスのオートロックをハンズフリーで解除可能
- 玄関ドアはタッチでもアプリでも開錠可能
- 音声操作で家電や照明のON/OFFを制御
- 起床時間にカーテン・照明を自動でON
- 一括ボタンで家電・照明のON/OFFを一括制御
より具体的なイメージはこちらの紹介動画を確認してみてください。
最先端IoTスマートホーム『デュオメゾン池袋』
『デュオメゾン池袋』は「新しい賃貸での暮らし方」をコンセプトとし、最先端のIoT住宅を導入した物件です。
『デュオメゾン池袋』に導入したIoTデバイスの一例を、以下に紹介します。
2023年4月11日にはメディア・報道関係者向けの内覧会を実施し、実際に体感していただきました。
くわしくは、以下のプレスリリースをご確認ください。
先進的な換気マンション『ライオンズ南千住グランプレイス』
「ライオンズ南千住グランプレイス」の全住戸には、既存のレンジフードをIoT化し、CO2濃度に応じた自動換気ソリューション機器を導入しています。
自動換気ソリューション機器を標準で採用したことにより、新たな付加価値を備えたIoT住宅として注目されています。
自動換気ソリューション機器の詳細は、以下のプレスリリースを確認していただくか、リンクジャパンにお問い合わせください。
IoT住宅の柱となる概念「HomeOS」の紹介
紹介した3つの事例のいずれも、あるひとつの重要なコンセプトのもと、住宅のIoT化を実現しています。
それは最先端のIoT住宅に必要不可欠な存在となる「HomeOS」です。
ここからは「HomeOS」の概念と、HomeOSの役割を担うHomeLinkを解説します。
HomeOSとは住宅にとってのOS
従来以上の快適性・利便性・安全性を備えたIoT住宅にアップデートするための柱、それがHomeOSの概念です。
これは、HomeOSが住宅にとってのOS(基本ソフト)であることを意味します。
身近な例だと、PCならWindows、スマホならAndorodやiOSが該当するでしょう。
PCやスマホのOSが、多種多様なアプリやサービスを一元的に管理・制御するのと同じように、HomeOSが住宅の中でその役割を果たします。
また、WindowsのインストールされたPCが、必要に応じてアプリやサービスを追加できるのと同じように、HomeOSも入居者のライフステージに合わせ、段階的にIoTデバイスやサービスを住宅の機能として追加できます。
住宅のIoT化を柔軟に実現できるHomeOSは、今後のIoT住宅に必要不可欠な存在なのです。
HomeOSの役割を担うスマートホーム統合アプリ「HomeLink」
HomeOSの役割を担うものとして開発したのが、スマートホーム統合アプリ「HomeLink」です。
HomeLinkを導入すれば、さまざまなIoT家電やデバイスを制御可能になり、物件のIoT化をシンプルに実現します。
その時々のニーズに応じたカスタマイズや拡張が可能なので、入居者の満足度が向上するとともに、最先端を持続可能な魅力ある物件としてブランディング効果の向上も期待できます。
HomeOSとHomeLinkの詳細は、以下の記事でくわしく解説しているので、こちらも合わせて読んでみてください。
まとめ
本記事では、IoT住宅のメリット・デメリットにくわえ、IoT導入で注意したいポイントを解説しました。
IoT住宅導入の際には、IoT化の範囲・セキュリティ対策・各種費用など、さまざまな観点で検討する必要があります。
当社リンクジャパンでは、HomeOSの役割を担うHomeLinkを中心とした、さまざまなIoT導入サービスを提供可能です。
お客様のニーズにマッチした最適な導入方法をご提案可能なので、IoT導入検討でお悩みの場合は、ぜひ一度ご相談ください。