近年、新築やリフォーム時に検討されやすくなった「ホームセキュリティ」。導入コストがかかるため、メリットなどの付加価値がないと必要性を感じにくいでしょう。本記事ではホームセキュリティに期待できる効果と選び方にくわえて、戸建て・マンション別に導入例を紹介します。
ホームセキュリティとは?
ホームセキュリティとは、住まいを守るシステムのことです。主に、警備会社に依頼する場合と、自分自身で行う場合の2つのパターンがあります。いずれにせよ、住宅にセンサーやカメラを取り付けて管理することが多く、窃盗や侵入などの犯罪予防になるほか、病気などで急に動けなくなったときに役立ちます。
なお、ホームセキュリティの通知から警察や消防に通報することはありませんが、駆けつけた警備員が必要に応じて通報してくれます。
ホームセキュリティ導入のメリット
ホームセキュリティは初期費用にくわえて月々の管理費用がかかることが一般的です。費用対効果が期待できなければ、設置する必要がありません。ホームセキュリティ導入のメリットは、主に以下の3つがあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
侵入窃盗などの犯罪から身を守れる
住宅を狙った住宅対象侵入罪の発生は多く、いつ自分の家が狙われてもおかしくありません。愛知県の令和4年の侵入罪の認知件数を見ると、全体的に減少傾向であるものの、忍込みと居空きは増加しています。
上記のデータから見ても「外出中だけ気をつければ安心」ではないことがわかります。在宅中もセキュリティが作動していれば、家の中で出くわす危険性も低くなるでしょう。
住宅のほかにも事務所や飲食店を狙った侵入・窃盗罪も増加しているため、会社をあげての対策も検討するのがおすすめです。
高齢の親の見守りにもなる
ホームセキュリティは外部からの侵入だけではなく、家の中で住民が倒れるなど不測の事態に備えることができます。総務省消防庁のデータによると、令和4年中に救急搬送された人員のうち、61.9%が65歳以上の人でした。また、65歳から74歳、75歳から84歳、85歳以上と年代別で見てみると、年齢を重ねるにつれて搬送された人は増えていることがわかります。
また、当社でも高齢者の見守りサービスを提供しています。高齢者向けマンションや住宅型老人ホームを運営している企業の方は、ぜひ参考にしてください。
また、子どもだけで留守番することが多い家庭では、子どもの見守りとしても有効です。
不在時の万が一にも備えられる
ホームセキュリティのイメージとして、不在時に空き巣が入ったときの警備員の出動を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?
実際に警備会社を通したホームセキュリティの場合は、不在時に空き巣が入るとシステムが作動し警備員が駆けつけるため、犯罪の被害を抑えるだけでなく、抑止効果にも期待できます。
仕事で平日家を空ける時間が長い人や出張が多い人はもちろん、相続した空き屋の管理にも役立つでしょう。
【戸建て・マンション】ホームセキュリティの必要性と導入例を比較
ホームセキュリティの必要性は戸建てとマンションで違いはあるのでしょうか?必要となるホームセキュリティの導入例を確認しておきましょう。
【戸建て】ホームセキュリティの必要性と導入例
戸建ての場合、ホームセキュリティの必要性は高いと言われています。
警察庁の調査によると、住宅を対象とする侵入窃盗被害のうち、空き巣・忍込み・居空き、すべての項目において、過半数以上が戸建てでおこっています。居空きや忍込みは、住民が家の中にいる最中に行われているため、一階部分と二階部分で分かれていることが多い戸建てが侵入しやすいと考えられるでしょう。
なお、侵入手口としては無施錠が最も多く、次いでガラス破りとなっています。無施錠に関しては住民の意識で改善されますが、ガラス破りに関してはホームセキュリティが有効です。
富山県警察本部によると、以下の住宅防犯の見直しが推奨されています。
ドアに関してはサムターンが回されると侵入されやすいため、ワンドアツーロックと呼ばれる二重鍵や、スマートロックも有効です。
警備会社のALSOK(アルソック)では、以下のようなサービスを提供しています。
4月1日にリリースされたALSOKアプリには、当社の「HomeLink」と連携している屋外カメラ、HOME ALSOK Connect Eye(IP-C730)が組み込まれています。
【マンション】ホームセキュリティの必要性と導入例
マンションには管理組合が存在し、共有スペースやエントランスなどの防犯は管理組合で請け負っていることが一般的です。まずは、自分のマンションでどこまで防犯システムが導入されているのか確認しましょう。
共有スペースはマンション全体で取り組むことができますが、エントランスを前の人が通過した隙に入り込んだり壁を登るなど、侵入経路を防ぐうえで万全とは言えません。
実際に先ほどの資料を見てみると、マンションでも3階以下の住宅の場合、4階以上の住宅と比べて約2倍もの侵入窃盗被害が出ています。
そのうえで、個人で導入を検討したいホームセキュリティは以下の通りです。
警備会社でホームセキュリティを契約した場合、ステッカーを配布してくれることが多く、玄関に貼っておくだけで防犯対策になります。また、高齢の親がいる場合も、加入しておくことで急病などの緊急事態に役立ちます。
ホームセキュリティの選び方を目的別に比較
ホームセキュリティを選ぶ際は、目的に沿っているかが重要です。
目的に応じて3つの中から導入するホームセキュリティを検討しましょう。
オンラインセキュリティ
オンラインセキュリティは、3つの中で最も防犯レベルが高いホームセキュリティです。24時間365日警備会社で管理されており、万が一があると自動で出動してくれます。家を空けることが多い家庭や火事や急病などで、すぐに対応して欲しい方に向いています。
レンタルの場合、5千円~1万円程度で始められますが、機器を購入する場合は初期費用が20万円を超えることが一般的です。
セルフセキュリティ
セルフセキュリティの場合、自動で警備の出動依頼ができないため、自分で通知を確認してから警備を要請することになります。オンラインセキュリティは警備会社が異常を感知した場合に管理してくれるのに対し、セルフセキュリティは自身の裁量で判断しなければいけません。
費用は2千円台からと、オンラインセキュリティより安く始められるため、子どもが一人で留守番することがある家庭や、親の見守りで利用したい人に選ばれています。
防犯グッズ
スマートロックやガラス用防犯フィルム、防犯カメラなどの防犯グッズは、自分の目的に合わせたものだけを取り入れると良いため、予防の手始めとして導入しやすいでしょう。
侵入窃盗は玄関と窓(ガラス破り)から入ってくることが多いため、まずは玄関と窓の対策だけでもスタートさせる必要があるでしょう。
オンラインセキュリティ | セルフセキュリティ | 防犯グッズ | |
費用 | △5千円~1万円 | 〇2千円台~ | ◎数百円~ |
防犯効果 | ◎ | 〇 | △ |
向いている人 | ・24時間365日サポートして欲しい人
・万が一のとき警備員に駆けつけて欲しい人 ・戸建てに住む人 |
・高齢の親の見守りを始めようとしている人
・警備や警察の出動は自分で行いたい人 |
・安く防犯をスタートさせたい人 |
ホームセキュリティで安心な暮らし
どこまでホームセキュリティを強化するのかは、住んでいる家族の数や地域、ライフスタイルによって異なります。しかし、いずれにせよ何もせず無防備で暮らしていくことは、現代社会で不安を覚えます。
無施錠が最も侵入窃盗を誘発させるため、日頃から気を付けなければいけません。不安な人はオートロックやスマートロックなどを導入するだけでも効果に期待できるでしょう。
当社はホームセキュリティの分野でもさまざまなサービスを提供しています。ぜひ一度、ご相談ください。
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