【2023年】HEMS(ヘムス)導入で補助金はもらえるのか?自治体・メーカー紹介

HEMS 補助金 2023 Business

不動産・住宅業界にもトレンドがあり、最近では環境に考慮した住宅が注目を集めています。環境に良いだけでなく、住みやすさや光熱費削減に繋がる「HEMS(ヘムス)」をご存じですか?本記事では、HEMSとは何なのか、また、導入にかかる費用や補助金を解説します。

HEMSとは

出典:エネルギーIoTハブ

出典:エネルギーIoTハブ

HEMSは「Home Energy Management System(ホーム エネルギー マネジメント システム)」のことで、電力を管理するシステムを指します。従来は電気代の請求時に電力使用量を確認することが一般的でしたが、HEMSを導入することで都度、使用状況を確認できるようになります。

また、機器とネットワークで繋ぐことで、家電ごとにどれくらいの電力を使用しているか把握し管理できるようになるのです。その結果、端末から電気のオンオフ、エアコンや照明の自動コントロールなど、ライフスタイルに合わせた家電の操作が叶います。

詳しくは以下の記事でも説明しているため、詳しく知りたい人はチェックしてください。

HEMS設置にかかる料金目安

HEMSの導入に必要な費用の目安

HEMSの導入には初期費用が発生します。具体的には以下のようなものがあります。

HEMS本体…約8~14万円
HEMS対応分電盤…約12~18万円
HEMS対応設備…数十〜数百万円
IoT家電…数千円~

最近建てられた家の場合はHEMS対応分電盤を取り付けると本体を設置できますが、HEMS非対応の分電盤の場合は、追加で測定ユニット(電力量計)の設置が必要です。測定ユニットだけで数万円程度かかるため、まずは住宅が対応分電盤なのか確認しましょう。

なお、HEMSのメリットを最大限活用するためには、HEMS対応の住宅設備を導入することが不可欠です。
代表的な機器には、蓄電池やエコキュートなどがあります。太陽光発電などの発電機器もHEMSに繋げておくことで、自家発電した量と使用量、蓄電量の確認ができます。
また、HEMS対応のIoT家電を導入すると、電力使用量を自動でコントロールすることができ、よりHEMS機器の効果を高めることができます。

HEMSの補助金制度

住宅ローン

HEMS導入にあたって、安くても20万円は見込んでおくと安心です。もちろん、一からIoT家電をそろえる場合は、100万円を超えることも考えられます。節電に効果的なHEMSであっても、導入に費用がかかるのであれば普及しにくいでしょう。そこで政府は補助金を準備しました。

導入を検討していた消費者の中には、補助金の恩恵を享受しようとする人も多いため、購入の後押しとなりました。しかし、2023年2月時点では、HEMSの補助金制度はありません。一体なぜ、補助金が打ち切りになったのでしょうか。

HEMS補助金の打ち切り理由とは

HEMS補助金は一般社団法人環境共創イニシアチブが請け負っています。過去には2011年、2013年にHEMS補助金が設けられましたが、2013年9月に急遽打ち切りが決定。当初は予算内に含まれていたHEMSですが、補助金の主な目的は東日本大震災の復興であったため、条件の見直しの際、対象外となり予算がおりませんでした。

なお、HEMSの補助金制度はないものの関連するサービスやシステムの導入に補助金制度を取り入れています。

省エネ住宅向けの補助金制度の例
・DER補助金
・ZEH補助金
・長期優良リフォーム補助金
・断熱リフォーム補助金

そのほかにも国ではなく、地方自治体で独自の補助金制度を取り入れている地域もあります。住んでいる地域に該当するものがあるのか、事前に確認しておくのがおすすめです。

出典:環境共創イニシアチブ

【地方】HEMS補助金の例

スマートハウス

HEMS補助金制度を導入している地域と、具体的な内容と金額を見ていきましょう。

東京都

東京都では、平成25年~27年までの期間「家庭における創エネ・エネルギーマネジメント促進事業」として、HEMSの設置に補助金が出ていました。2023年現在は、蓄電池や太陽光発電について補助金制度が設けられています。電子申請もスタートしており、以前より申請のハードルが低くなっているのもうれしいですね。

太陽光発電を新築住宅に設置する場合は36万円、既存の住宅に設置する場合は45万円を上限として補助金を受けられます。蓄電池の場合、蓄電容量によって計算が異なるほか、太陽光発電を導入しているかによって計算が変わってくるため、一度問い合わせてみるのがおすすめです。

また、区によって別途補助金制度を設けている自治体もあるため、住んでいる区の要項チェックも忘れずに!

出典:クール・ネット東京「家庭における蓄電池導入促進事業実施要綱」

愛知県

愛知県では「愛知県住宅用地球温暖化対策設備導入促進費補助金」として対象の設備を設置した場合に限り、補助金を申請可能。例えば「一般的導入【ZEH】」では、11万2,800円、家庭用エネルギー管理システムでは1万円など、さまざまな補助金が設定されていますよ。申請書はホームページからダウンロードできます。

そのほかにも、愛知県内の市町村それぞれが補助金制度を導入しているものもあるため、事前に確認しておきましょう。

出典:愛知県「愛知県住宅用地球温暖化対策設備導入促進費補助金」

千葉県船橋市

千葉県船橋市では、令和4年度に「船橋市住宅用太陽光発電システム・省エネルギー設備設置費補助金」が交付されていました。太陽光発電システムでは上限9万円、エネファームでは停電時自立運転ありで10万円、なしで5万円など、導入する設備によって金額が決められています。

2023年2月時点では令和5年度の要項は発表されていませんが、継続の期待ができるでしょう。

出典:船橋市「船橋市住宅用太陽光発電システム・省エネルギー設備設置費補助金」

HEMSを取り扱っているメーカー例

HEMSを設置する際は、どのメーカーの商品を設置するかから決めなければいけません。ここでは、4つのメーカー例を紹介します。

Panasonic

家電でも有名なPanasonicは、「AiSEG2(アイセグツー)」というHEMS商品を取り扱っています。家庭のさまざまな家電と連携させられるのが魅力で、防犯や家事の時短に役立ちます。また、家全体の消費電力に応じて対応しているエアコンや照明などを自動で操作可能。節電にも役立ちます。

HomeLink

HomeLink

リンクジャパンは、AiSEG2と家電を連携させるクラウドサービス「HomeLink」を提供しています。
詳しくは下記の記事でも紹介しているため、ぜひチェックしてみてください。

なお、連携される家電はPanasonic以外でも大丈夫です。すでにお持ちの家電がIoT対応の場合は、買い替える必要なく連携させることができます。

出典:Panasonic「AiSEG2(アイセグツー)で何ができるの?」

メディオテック

ミルエコmini

ミルエコmini

「HomeLink」と連携している製品のひとつに、メディオテックの「ミルエコmini」もあります。

施工やネットワークの設定が不要なので、分電盤とルーターがあればすぐに使えるのが特徴です。

売買電気や使用電気をアプリで一括管理でき、その日の天気や気温まで記録されるため傾向を探ることもできるでしょう。

アプリでは棒グラフや折れ線グラフで推移が見られるほか、わかりやすい表示が特徴です。

また、最近はマンションのEV車充電設備が増えています。

充放電量もアプリで管理できるため、戸建・集合住宅に関わらず、EV車所有の方、検討中の方は車の管理もしやすくなるでしょう。

SHARP

SHARP(シャープ)では、3つのHEMS製品をとりそろえています。クラウドコントローラー2種類のほかに「ロボホンライトヘムス」と呼ばれるロボットタイプがあります。売電や自家消費中ではロボットが手を上げ、買電中は手を下げるなど、ロボットのアクションによって電力使用を見える化しているのが特徴です。

なお、電力使用量や発電量などはロボホンライトヘムスに話しかけると答えてくれます。会話しながら電力コントロールに取り組めるため、小さな子どもがいる家庭でも積極的に活用できそうです。

出典:SHARP「HEMS(ヘムス)/COCORO ENERGY」

NTT東日本

NTT東日本では「HEMS情報コネクト」サービスを提供しています。集合住宅や自治体など、多くの住宅の電力データを活用したい場合は、情報コネクトを介すことでHEMSの利用の幅が広がります。

例えば、利用者のライフスタイルに合わせた情報発信ができるほか、高齢化地域では地域住民の見守りサービスとして活用することもできるでしょう。少子高齢化が深刻化している日本では、今後介護事業にIoTが浸透していく可能性も高いと言われていますよ。

出典:NTT東日本「HEMS情報コネクト」

HEMS補助金申請から交付までの流れ

HEMS導入の際、補助金は事前に受け取れるのか、料金から差し引かれるのか、後日受け取れるのかで、自分で用意するお金も変わってきます。申請のタイミングと受け取れる時期は、導入前に把握しておきましょう。

ZEH補助金の申請は、ハウスメーカーなどの業者のZEHプランナーが行ってくれることが多いため、今回は自治体の申請について紹介します。

ステップ1:導入する設備に補助金があるのか確認

自治体によって補助金が受け取れる条件が異なります。対象となっている製品や工事も細かく分かれている場合があるため、対象となるか事前に確認しておきましょう。この時点でどのメーカーにするのか、どの業者に依頼するのかも決めておきます。

ステップ2:補助金の申請を行う

一般的には工事が始まる前に補助金の申請を行います。最近はオンラインで申請書データに記入できる自治体も増えていますが、提出方法はさまざま。郵送・窓口・オンラインなどの手段があるほか、申請には期限があるためなるべく早く取りかかると安心です。

ステップ3:交付決定通知を受け取る

申請書を出した時点では、補助金が受け取れるかは決まっていません。申請後1カ月~2カ月程度で補助金の交付決定通知書が届きます。通知書を受け取れば工事着工。決定まで時間がかかることが多いため、着工から完工まで時間を要することも多いようです。

ステップ4:工事の報告書を提出

着工・完工についての書類を自治体に提出します。この際、条件を満たす工事が行われたのか確認するために、写真や領収書、契約書も合わせて提出しなければいけません。各自治体が定めている完工後の提出期限に気をつけましょう。

ステップ5:入金

報告書に不備がない場合は1カ月程度で補助金が入金されます。確認に時間がかかると、半年以上入金されないため、お金に余裕をもっておくと安心です。

HEMSの導入は補助金制度も合わせて検討!

地球温暖化が深刻化している今、HEMS導入によって電力の使用をコントロールすることは環境にもお財布にもメリットです。しかし、まだまだHEMSの導入は進んでおらず「どうにかしなければいけないけれど、何をして良いのかわからない」という人も多いでしょう。補助金はHEMS導入の後押しとなるため、ぜひ一度ご検討ください。

個人向け住宅では、自宅の電力を管理することで電気代の節約に繋がります。ほかにも集合住宅を管理する大家、デベロッパーの方々は、自動検針などの設備も同時に導入することで人件費削除も叶うほか、電気の開閉や容量変更も遠隔操作で可能になるのです。HEMSの導入により、電力の管理が便利になるでしょう。

リンクジャパンはIoT技術であらゆるエネルギー機器をリンクし、 AIによるホームエネルギー最適制御(次世代HEMS)や電力需給に合わせた一括制御(VPP/DR) を実現するプラットフォームトータル支援する「eNe(エネ)」を提供しています。
さらに、2024年1月に革新的な製品「HEMS・JEM-Aハブ」を発売しこれまで以上に便利な接続を可能にしました。※2024年1月30日追記

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