【解説】スマートホーム×リノベーションで不動産価値を高める方法

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時代の流れとともに、求められる住まいは変わります。スマートホームはAIやIoT家電を使うことから現代社会に受け入れられやすく、近年需要を伸ばしている住まいのスタイルです。

また、中古不動産の需要も増加していることから、中古住宅を購入し、スマートホームにリノベーションする選択肢も検討できるでしょう。

本記事では、中古住宅をスマートホームにリノベーションした場合の不動産価値について解説します。

スマートホームとは?

スマホと女性

スマートホームとは、IoT家電などAI搭載のデバイスを使ってスマートフォンなどから遠隔操作できる住まいのことです。

例えば、スマートホームでは、帰宅前にスマートフォンからお風呂を溜めておくことやエアコンをつけておくことができます。

また、自宅にカメラを設置しておけば、セキュリティ対策になるだけでなく、気になったタイミングで家を開けている間のペットや子どもの確認も可能です。

そのほかにも、玄関ロックをスマートホーム対応のものにするだけで、ハンズフリーで解錠できるようになります。

このように自分のライフスタイルに合ったIoT家電を導入することで、カスタマイズできるのも魅力の一つでしょう。

住まいは新築から中古の流れに

スマートホームが導入できる住宅は、新築に限ったことではありません。最近では中古住宅の需要が伸びており、リノベーションをして再販する事業も盛んです。

出典:矢野経済研究所「中古住宅買取再販市場に関する調査を実施(2021年)」

出典:矢野経済研究所「中古住宅買取再販市場に関する調査を実施(2021年)」

 

矢野経済研究所プレスリリースの調べによると、中古住宅は区分分譲(マンション)を中心に、戸建でも売り上げを伸ばしていることがわかります。

 

出典:矢野経済研究所「住宅リフォーム市場に関する調査を実施(2021年)」

出典:矢野経済研究所「住宅リフォーム市場に関する調査を実施(2021年)」

 

そのほかにも、住宅リフォームの全体市場規模はほぼ横ばいなのに対し「設備修繕・維持」の内訳は年々増加傾向にあります。

新築と比べて割安で良質な住まいを手に入れられるリノベーション需要は、今後も伸びていく見込みです。

なお、最近では中古住宅を購入しリフォームして販売する「カチタス」のような中古住宅再生事業も需要があります。

リノベーションと同時に周辺設備も見直すことで、住宅価値を上げることに期待できるでしょう。

スマートホームにリノベーションするメリット

家

スマートホームにリノベーションせずとも、そのままでも十分に住める中古住宅もあるでしょう。しかし、スマートホームにリノベーションすることで多くのメリットに期待できます。

ここでは主に3つのメリットについて紹介します。

スマートホームの主なメリット
・ライフスタイルに合わせて変化できる
・パッケージ化で導入しやすい
・築古物件でも再販しやすい

ライフスタイルに合わせて変化できる

昔から人々のライフスタイルに合わせて住まいの形は変化して、現在に至ります。

食洗器や浴室乾燥などの家電が現代の住まいに標準装備として馴染んでいるのも、ライフスタイルの変化による影響の一つといえるでしょう。

さらに、最近では女性の社会進出も手伝って、家事が時短できるものや防犯効果に期待できる住まいの需要が広がっています。

スマートホームは住んでいる人のライフスタイルに合わせて必要なものだけ取り入れることができます。

高齢者のみの住まいでは、防犯に強いものや身内のデバイスから生活の様子が伺えるもの、子育て世代の住まいでは、ハンズフリーの鍵や声で操作できる家電など、住んでいる人に合わせて組み合わせられるのです。

一度取り入れた設備はライフスタイルに合わせて組み替えることもできるため、今後生活が変わった場合も変化できます。

パッケージ化で導入しやすい

図面

リノベーションの際にスマートホーム化する場合、パッケージで導入しやすい側面もあります。例えば以下のようなパッケージが現在普及しています。

スマートホームのパッケージ例
・省エネ(電源の自動管理)
・セキュリティ(スマートロック・ネットワークカメラの設置)
・健康管理(睡眠時の呼吸や心拍数データ・洗面台での体重管理など)

上記のすべてを満たす設備をつけることも可能ですが、予算が限られている場合は住む人に合わせてパッケージ化することもできます。

また、設備一つだけを単体で販売するのではなくパッケージとして提案することで、住まい全体をスマートホーム化することができ、暮らしやすくなるでしょう。

築古物件でも再販しやすい

一般的に住宅価値は経年により減少していきます。築古物件はそのままでは価値がつきにくく、安値で販売しても買い手がいないことも珍しくありません。

築古物件の場合、リノベーションの際にスマートホーム化することで、付加価値をつけられる可能性があります。

外観や住まいは古民家でも、高性能の住宅は需要があるでしょう。

しかし、築古物件の場合、リフォームした方が良くなることもあるため、慎重な対応が求められます。住宅の劣化具合と合わせて備え付けられる設備を検討してください。

スマートホームにリノベーションするときの注意点

不動産投資

スマートホーム化されている住まいは増加傾向にあり、スマートホームに対応できる設備やシステムは今後も増えていくことが予想されます。

導入するメリットは大きいですが、同時にデメリットも存在するため、改善策も把握しておく必要があるでしょう。

スマートホームの主なデメリット
・住宅によっては困難な設備がある
・導入初期費用が高い
・区分住宅の場合は停電に弱い

住宅によっては困難な設備がある

スマートホームは電気(電源)とネットワーク(Wi-Fi)が必要不可欠です。住宅によってはコンセントの数が足りないことや、ネットワーク環境が悪いことも考えられます。

その場合、コンセントの確保からしなければいけないため、大規模なリノベーションになる可能性もあるでしょう。

また、自宅のネットワーク環境が悪い場合は、正常にIoT家電が動いてくれないことがあります。

この場合は、自宅のWi-Fiルーターの置き場所を変えたり中継器を置いたりすると解消されることがあります。

導入初期費用が高い

スマートホームは設備の大小に関わらず、必ず初期費用が発生します。

スマートプラグやリモコンは比較的安価で手に入りますが、自動カーテン開閉システムや電動シャッター、スマートロックなどは、導入に費用がかかることが多いでしょう。

そのため、取り入れたい設備と費用を重ねて検討しなければいけません。リノベーションを依頼する住宅会社によっては、パッケージにすることでお得に導入できるものもあります。

初期費用がかさむことに不安がある人は、導入する設備を厳選する。もしくは、パッケージで採用することも検討すると良いでしょう。

 

 

区分住宅の場合は停電に弱い

最近ではスマートホームの区分住宅も増えており、エントランスの解錠、自宅玄関の解錠がスムーズにおこなえる魅力が人気を集めています。

しかし、区分住宅は停電時に電気の供給が止まるため、スマートホームが機能しなくなります。

自家発電装置があるマンションは多いですが、非常用電源は共有スペース(非常用エレベーターや共有部分の電気)のためのものです。

各家庭に向けた電気の供給は行われないため、停電時の電気は別で備えておくと良いでしょう。

また、戸建住宅の場合は自家用発電設備を備えておくことで、災害時も一定の電気が使えます。災害後には盗難などの二次被害も生まれるため、いずれにせよ、停電時の施錠は十分に注意しておくのが安心です。

スマートホームにリノベーションして暮らしやすく

リノベーションをする目的としては、老朽化した住宅の改善が主になることが多いですが、IoTを取り入れることで不動産価値の向上にも期待できます。

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