スマートプラグは家電を手軽にスマート化できる一方、使い方を間違えると火災リスクを高める危険性があるため注意が必要です。
しかし、火災の危険性を十分に理解していなかったり、スマートプラグの正しい使い方を把握できていなかったりするケースは意外に多そうです。
そこで本記事では、スマートプラグ誤使用の危険性や正しく使うためのポイントをくわしく解説します。
スマートプラグを正しく安全に使うためのガイドとしてご活用ください。
スマートプラグ誤使用による危険性
スマートプラグを正しく使わないと、どのようなリスクや危険性があるのでしょうか。
ここでは、具体的にどのような危険性があるのか、法律の観点やよくある間違った使用例を交えて解説していきます。
誤った使い方は火災につながる恐れがある
スマートプラグとは、電源コンセントをスマート化するIoTデバイスです。
スマートプラグを電源コンセントに挿しこみ、家電をスマートプラグに接続すると、こんなことができるようになります。
- 家電をスマホやタブレットから遠隔操作できる
- 家電を決まった時間に動作するよう設定できる
- つながっている家電の消費電力を監視できる
このうち1と2に共通して言えることは、「人の目が届かない範囲でも操作できる」ようになることです。
家電にわざわざ近づいて操作する必要がなくなるので、利便性が向上するのは間違いないでしょう。
しかし、どのような家電でもスマートプラグに接続していいわけではありません。
特に注意したいのは、こたつ・電気ストーブ・アイロンなど、電源を入れることで熱を発生させる家電との接続です。
これらの家電は、たとえ安全な状態で稼働していたとしても、近くに燃えやすいものがあるだけで火災につながる恐れがあります。
たとえばスマートプラグではなくロボット掃除機が原因ですが、以下は人の目から離れて稼働していた電気ストーブの火災事例です。
- 出火した住戸の住人が1階にいたところ、自動火災報知設備が鳴動したので2階のリビングに戻ると、電気ストーブとソファーが接触して出火していたもの。出火前は2階で電気ストーブがソファーから50cmの位置に置かれており、室内はロボット掃除機が運転状態であった。
- 近隣の会社員が出火建物の窓から煙が出ているのに気付いた。出火した住戸の住人は外出中であり、机の下に置いていた電気ストーブの位置が変わって出火したもの。ロボット掃除機はタイマー設定がされていた。
引用元:令和元年度 産業保安等技術基準策定研究開発等事業 (電気用品等製品の IoT 化等による安全確保の在り方に関する動向調査)報告書
また、電化製品による火災の発生は、こたつのような熱を発生させる機能があるかどうかに限りません。
スマートプラグや接続中の家電自体の故障、接続しているプラグの不良によっても火災が発生することがあります。
紹介した過去事例では幸い死傷者なしでしたが、火災は一歩間違えば隣家も巻き込んでの大惨事となります。
実は筆者が小学生のころ、学校の近くに住んでいた友人の自宅が火事になったことがあるのです。
授業中に発生した火事だったので、避難した校庭からその光景を目の当たりにしましたが、黒煙を吐きながら勢いよくあがる火の恐ろしさはいまだに忘れられません。
「便利さ」に囚われすぎて安全面での確認を怠ると、取り返しのつかない事故につながるかもしれません。
火災に限らず、どんな小さなことでも事故につながる恐れのある要因は生活の中から除外する、といったスタンスを忘れないことが重要です。
電気用品安全法違反になる可能性がある
「電気用品安全法」は、その名のとおり電気用品の安全確保について定めた日本の法律です。
また、電気用品安全法に基づいて技術上の基準を定めている省令が「電気用品の技術上の基準を定める省令」。
この省令は、IoT技術の発展により家電や機器の遠隔操作が容易に実現できるようになった状況をふまえ、2013年(平成25年)に改正されています。
これらの法律は、電化製品が一定の安全基準を満たしていることを求めるもので、家電メーカーはこの法律に従って開発したものを世に送り出しているというわけです。
そしてこれらの法律により、人の目が届かない範囲で利用すると火災などの発生リスクがある家電は遠隔操作を禁じられています。
つまり、スマートプラグにこたつや電気ストーブを接続して遠隔操作してしまうと、電気用品安全法違反になる可能性もあるのです。
各メーカーが販売しているスマートプラグには、火災などの発生リスクのある家電の接続を禁止する注意事項が、マニュアルなどに記載されています。
実際に、当社リンクジャパンのePlug3も、マニュアルに以下の「安全上のご注意」を載せています。
安全上のご注意
電気毛布、電気ストーブ、電熱器など、火災・感電・傷害などの危険を生じる恐れのある電気器具、機器類は接続しないでください。
ePlug3をはじめとするスマートプラグは電気用品安全法により、特定の電気用品は本製品に接続し、音声などで遠隔操作することが禁じられていますので、ご留意ください。たとえば、電気ストーブやヒーター、こたつ、電気毛布のような暖房器具や電気コンロなどの電熱器、コーヒーメーカー、電気ケトル、ヘアアイロン・カーラー、布団乾燥機などに接続してお使いいただくことはできません。
スマートプラグは設定が難しくないうえ簡単に扱えるため、製品仕様やマニュアルをしっかり確認せずに使い続けてしまうことがありそうです。
しかし電化製品は、誤った使い方をすると火災や感電など事故につながる可能性を否定できません。
あとでもくわしく解説しますが、使用する前に製品の注意点はしっかり確認し、正しい使用方法を理解したうえで安全に利用することが重要です。
参考:「解釈別表第八に係わる遠隔操作」に関する報告書 2019 年 11 月 18 日 電気用品調査委員会
参考:電気用品安全法 | e-Gov法令検索
参考:電気用品の技術上の基準を定める省令 | e-Gov法令検索
よくある間違った使用例:こたつ・エアコン・テレビ
スマートプラグでよくある間違った使用例の代表はこたつや電気ストーブなどの、暖房器具かもしれません。
前述のとおり、こたつなどの使用は電気用品安全法でも遠隔操作が禁じられ、どの製品メーカーのスマートプラグも使用禁止家電として明記されているでしょう。
ところがメディアやX(旧称Twitter)などで、スマートプラグとこたつなどの暖房器具の接続を「正しい便利な使い方」として紹介したために炎上したケースが過去に複数あります。
どうしても便利さに気を取られがちなので、遠隔で操作した場合に考えられるリスクまでは想定できていない、という人は意外と多いものです。
マニュアルを読めばわかる話と言えばそれまでですが、マニュアルに目を通さないと誤った使い方として認識されにくい使用例とも言えるでしょう。
誤解しているケースだけでなく、「自分の場合は大丈夫」のような過信から、リスクのある使い方を続けるケースもありそうです。
また、エアコンやテレビのようなリモコン操作でON・OFFを操作する家電は、そもそもスマートプラグの利用対象外です。
特に、エアコンの場合は消費電力が多く、安全性を確保できないため利用は推奨されていません。
エアコンやテレビのようなリモコンで操作するタイプの家電は、スマートリモコンを使うのが安全かつ適切です。
参考:ケータイWatch|間違いから学んだスマートプラグ利用の注意点と、スマート家電を取り巻く現状
参考:ITMedaia NEWS|「アレクサ、こたつつけて」をやってはいけないワケ 見逃しがちな“利用上の注意点”
参考:J-CASTニュース |こたつ電源をスマートプラグで遠隔操作→「法律違反」の指摘 IT系ウェブメディアが謝罪&「火災の危険性」と注意喚起
スマートプラグを使ってはいけない家電
ここまでの話で、スマートプラグには使ってはいけない家電があること、誤った使い方をすると火災発生リスクが高まることを理解していただけたでしょうか。
とはいえ、どんな家電や機器にはスマートプラグを使ってはいけないのか、具体的に教えてほしい人もいるでしょう。
一般的に以下のような家電・機器での使用は禁止されています。
- こたつ、電気毛布、ホットカーペット
- 電気ストーブ、電気/石油/ガス/オイルファンヒーター
- 電気コンロなどの電熱器
- コーヒーメーカー、電気ケトル
- 給湯器・ガス瞬間湯沸器
- ヘアアイロン・カーラー
- 布団乾燥機
- 炊飯器
- 医療用の機器
この中で、製品によってはコーヒーメーカーと電気ケトルの利用を推奨しているケースもあります。ただし、その場合は空焚き防止器機能付きであることが前提です。
いずれにしても、製品で利用を推奨しているかどうかを事前に確認することが重要です。
スマートプラグを正しく使うには?
スマートプラグの誤使用を避けるには、正しく使う方法を知ることです。
ここからは、スマートプラグを正しく使うために必要なことを、6つの観点で解説していきます。
スマートプラグの使い道を理解する
まずは、スマートプラグの正しい使い道を理解しましょう。
スマートプラグは、電源コンセントにプラグを挿すことで電源のON/OFFを操作できる家電が利用対象です。
リモコンで操作するタイプの家電を接続しても、消費電力の確認や家電への電源供給を完全に切りたい場合など、利用用途が限られることを念頭に置いておきましょう。
スマートプラグの効果的な使い道としては、以下のようなシーンが考えられます。
- 複数ある間接照明のON/OFFを一括で操作
- サーキュレーターや加湿器の操作をタイマー設定や音声で操作
- ウォシュレットや電気ポットなど、不在時や深夜の使わない時間帯には自動でOFF
- 熱帯魚の飼育で、照明や二酸化炭素の添加などをタイマーで制御
- クリスマスツリーや室内イルミネーションでの活用
過去の記事でも具体的な使用シーンを解説しているので、参考にしてみてください。
スマートプラグを使える家電と使ってはいけない家電を把握する
スマートプラグを安全に利用するためには、使える家電と使ってはいけない家電を正しく理解することも重要です。
以下の表は、スマートプラグの利用可否を示す一例です。
家電 | スマートプラグの 利用可否 |
補足 |
---|---|---|
間接照明 | 〇 | |
サーキュレーター | 〇 | |
テレビ | △ | テレビのようにリモコンで操作するタイプの家電は、電力の可視化以外での効果は得られない |
エアコン | × | リモコンで操作するうえ、消費電力が多く、安全性を担保できない |
電気コタツ | × | 電気用品安全法により、人の目を離れて利用した場合に火災リスクがある家電のため |
電気ストーブ | × | |
アイロン | × | |
加湿器 | 〇 | |
ウォシュレット | 〇 | |
コーヒーメーカー | △ | 利用には空焚き防止器機能付きが前提 |
湯沸かしポット | △ | |
エアレーション(水槽) | 〇 |
実際に利用可能かどうかは、製品によって若干違いがあるので、スマートプラグのマニュアルを必ず確認するようにしましょう。
スマートプラグの対応消費電力など製品仕様を確認しよう
製品の仕様も、利用前に必ず確認しましょう。
チェックするポイントは以下の4点です。
- 対応消費電力
スマートプラグの対応消費電力は製品によって異なります。家電の消費電力がスマートプラグの定格を超えると、過熱や故障の原因となり、最悪の場合は火災につながる恐れがあるので注意してください。 - 電圧と電流
日本の家庭用電源は100Vですが、スマートプラグによっては異なる電圧に対応している場合もあります。また、電流の最大値も確認しておきましょう。特に海外メーカーの製品には注意が必要です。 - 通信方式
Wi-FiやBluetoothなど、スマートプラグによって通信方式に違いがあります。自宅のネットワーク環境との互換性や、利用するにはハブなど他のデバイスが必要にならないか、事前に確認しておきましょう。 - サイズと形状
コンセントの配置やほかのプラグとの干渉を避けるため、サイズや形状も重要なチェックポイントとなります。最近のスマートプラグは横幅のサイズが長めなので、電源コンセントの位置によっては挿しこみづらいケースもあります。自宅の設置に合うサイズかどうかを確認しておきましょう。
このほかにも、製品マニュアルで適切な設置場所の確認や定期メンテナンスの方法なども確認しておくと、安全かつ長期的にスマートプラグを有効活用できるでしょう。
スマートプラグとスマートリモコンの使い分けも把握しておこう
スマートプラグとスマートリモコンは、どちらも家電をスマート化する便利なデバイスで、使い分けがよくわからない人もいるのではないでしょうか。
とはいっても、その違いは明確で、家電にリモコン操作機能があるかどうかです。
スマートリモコンはその名のとおり、リモコンをスマート化します。
つまり、リモコンで操作するタイプの家電はスマートリモコンを使うのが正しいです。
テレビ・エアコン・オーディオ機器や、リモコンで操作するLEDシーリングライトなどは、スマートリモコンで操作しましょう。
一方でスマートプラグは、リモコンでは操作できず、本体に備えられたボタンやつまみで操作するタイプの家電に利用します。
最近はリモコン付きの家電も多いですが、自宅で長年使い続けているような型が古い家電だとリモコンが付属していないケースもあるので、その場合はスマートプラグを利用するのが良いでしょう。
使い方で良いアイディアが閃いても安全性は必ずチェック
スマートプラグを使っていると、便利な使い方がふと閃いたりすることもあるでしょう。
ただし電化製品は、安全性を最優先に考えることが重要です。
便利な使い方を思いついたとしても一度立ち止まり、
- 電力や電流など、製品仕様の範囲内で収まる使い方か
- 製品のマニュアルに推奨されていない使い方として挙げられていないか
- どのようなシーンでも安全性を担保できるのか
といった観点で、安全に利用できるかどうかを必ず確認してください。
使い方で迷ったらメーカーに問い合わせることも大切
製品マニュアルや公式サイトとにらめっこしていても、正しい使い方なのかどうか、答えが見つからないケースもあるでしょう。
そんなときは、製品メーカーに直接問い合わせてみましょう。
製品メーカーに問い合わせたときに、「推奨できない」と言われた使い方は避けるべきです。
逆に製品マニュアルなどに明確に書かれていない使い方は、製品のアップグレードや品質向上につながることもあるので、より良い製品を生み出すアイディアの源になるかもしれません。
ePlug3の紹介:消費電力と電気代が丸見えのおすすめスマートプラグ
スマートプラグ選びでお悩みなら、当社リンクジャパンの製品「ePlug3」をおすすめします。
ePlug3の最大の特徴は、消費電力と電気代の見える化です。
ePlug3に接続した家電の消費電力や電気代をほぼリアルタイムに確認できるので、無駄に電力を消費している家電を見つけやすくなります。
もちろん、遠隔操作やタイマー設定も可能なうえ、GPSと連動した制御も可能です。
普段使わない夜間の時間帯や出張や旅行で長期間不在にする場合は、自動で電源をOFFにするなどシーンに応じて無駄のない電力使用を実現できます。
リモコン操作に対応していない家電の利便性向上や、電気代節約のサポート役に、ぜひePlug3を活用してみてください。
またスマートリモコンeRemote5を導入すると、リモコン操作できるタイプの家電もスマート化できます。
ePlug3と合わせて利用すれば、便利で賢い生活を送れる住宅に早変わりです。
なお、ePlug3には安全装置が内蔵されている点も安心して購入いただけるポイントです。17A、約130℃を超えると自動的に電源が落ち機器故障を防ぐ機能があるため長く使い続けることが期待できます。
ePlug3とeRemote5で、スマートホームの第一歩を進めてみてはいかがでしょうか。
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★ePlug3の詳細はこちらの記事でも紹介しています。
まとめ:スマートプラグは火災リスクを理解したうえで安全に利用しよう
本記事では、スマートプラグの火災リスクについて、以下の観点で解説してきました。
スマートプラグは、リモコン操作に対応していない家電をスマート化します。
遠隔操作やタイマー起動など、便利で賢い生活へアップグレードする一方、使い方を間違えると火災が発生する可能性もある点に注意が必要です。
スマートプラグを利用する際には、あらかじめ製品仕様やマニュアルを十分に確認したうえで、正しく安全に活用しましょう。
また、スマートプラグをきっかけに住宅のスマート化を進めるのもひとつの手です。
住宅のスマートホーム化で疑問やお悩みがある場合、ぜひリンクジャパンにお問合せください。
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